自律神経の乱れについて
自律神経は様々なことで乱れます。
決して精神的ストレスが多く、気持ちが落ち込んだ人のことを指す言葉ではありません。
一部の方には、自律神経が乱れることは精神的な病気に近いと勘違いしている人がいますが、どういった解釈でそうなっているのかわからないくらいに検討違いです。
たしかに精神疾患と言われる多くの方は自律神経が乱れている所見がありますが、自律神経の乱れは現代人であればほとんどの人にみられますし、そのときどきによって変動もあります。
自律神経の乱れている人の中に精神疾患といわれる人がいることを別のことで例えると、お菓子の種類の中にうまい棒があるくらいの感覚です。
うまい棒だけがお菓子ではなく、数ある中の一部というだけです。
そもそも自律神経ってなに?
では、自律神経とはなんでしょうか?
じりつしんけい
【自律神経】
不随意筋の運動や腺(せん)の分泌を受け持つ神経。
簡単に言うと、自分の意識していない筋肉の運動、つまり心臓の動きや血管の太さをコントロールしていたり、胃の消化液や汗をコントロールしている神経です。
自分で心臓の拍動はコントロールしていませんし、食事をしたから胃酸を出そうと思って出すわけではありませんね。
これは自律神経が必要に応じて、生命活動に必要なことをしてくれています。
自律神経は大きく分けて、交感神経と副交感神経があります。
よく車に例えられますが、アクセルとブレーキの働きのように、相反する働きを持っています。
ここでは簡単にしか説明しませんが、身体が活動的なことをしている場合には交感神経が優位に働き、リラックスしているときには副交感神経が働きます。
注意してほしいのは、“副交感神経が働く”ということです。
オフになることとは違い、副交感神経が働くことで、内臓が働き消化活動を活発にしたり、身体の傷ついた部分を修復して疲れをとるためにしっかり働いています。
では、自律神経が乱れるとはどういうことかというと、上記の交感神経と副交感神経のバランスが乱れることです。
バランスというとまだわかりにくいかもしれませんね。
交感神経と副交感神経の切り替えが上手くいかなくなっている状態のことであり、活動的なモードと休息モードの切り替えが上手くいかない状態のことだと思っていただいて差し支えないです。
現代人は交感神経が働き過ぎている人がほとんどであり、自律神経失調症というと、この交感神経が過緊張の状態のことをよく言われますが、副交感神経が優位になり過ぎるケースもあるので、一応知っておいてくださいね。
ちなみに副交感神経が優位になり過ぎるケースでも、鍼灸治療は有効です。
交感神経が優位になりすぎるとどうなるの?
では、交感神経が優位になりすぎるというのはどういう状態のことを指すのでしょうか。
交感神経は体を活動的にする神経ですので、優位になり過ぎた場合、休息すべき時になっても身体が活動をしようとして、消化吸収などの内臓の働きがおろそかになってしまったり、身体の傷を修復したりできません。
身体の傷を修復できないということは、疲労も同じくとれないため、寝ても疲れがとれないという方は、まさに交感神経が優位になっている可能性があります。
不眠も同じく、横になると副交感神経が優位になり、身体は内臓の働きを活性化するために脳や運動のための筋肉が働かなくなるのは普通ですが、横になっても働いたまま頭が冴えてしまっているという状態です。
自律神経を整えよう
この自律神経である交感神経と副交感神経の切り替えを上手にするために、鍼灸治療を行うと、夜眠れないという方も寝られるようになったり朝起きても疲れがとれにくい方の疲れがとれやすくなったりします。
自律神経が乱れ続けていると、眠れない→疲れがとれない→イライラする→眠れない・・・と悪循環になってしまうケースもあります。
場合によっては、その先に精神疾患のような状態があるのかもしれませんね。
ただ、自律神経失調症という病名には気をつけてください。
これはすごく曖昧なものですから、これを治す薬というのは存在しません。
鍼灸以外にも方法がありますから、ご自身に合った方法で日頃から自律神経を整えるようにしましょう。