肝臓の疲れと聞くと、みなさんは何を思い浮かべますか?
多くの方は、お酒の飲み過ぎなどを想像するのではないでしょうか。
僕自身も実際に多くの患者さんの身体を診せていただく前は、肝臓の疲れと聞くとお酒をすぐにイメージしていました。
しかし多くの患者さんを診ていると、お酒と肝臓の関連はそこまで強くありません。
ただし、統計や詳細なデータを記録しているわけではなく、東洋医学の診断法である、脉診、腹診などによるものが根拠です。
その上で、お酒よりも肝臓に多大な影響を与えてしまっていると推測されるものを紹介させてもらおうと思います。
まず、そもそも肝臓のはたらきは、アルコールを分解することのみではありません。
アルコールなど、身体が毒素だと判断するものを肝臓が分解してくれます。
有名な話ですと、「サプリメントを飲みすぎると肝臓に負担をかけるよ。」というフレーズを聞いた事がある人もいるかと思います。
これは、サプリメントが肝臓に影響を与えるということももちろん考えられますが、含まれている石油成分などの薬品を、アルコール同様に肝臓が分解するという意味で負担をかけてしまいます。
肝臓は身体の工場と言われるように、様々なものを作ったりしています。
腸で吸収された栄養素が肝臓に運ばれ、身体で使うことができる状態に変換してくれます。
たんぱく質はアミノ酸など・・・
そして糖質も変換し、身体で使うことのできるエネルギーになりますが、糖質の量が多いと肝脂肪と言われるように、肝臓そのものに脂肪がついてしまいます。
また、東洋医学には五行という考え方があります。
木 火 土 金 水
肝 心 脾 肺 腎
目 舌 口 鼻 耳
など、様々なものが五行には当てはまります。
そして、感情を五行に当てはめると・・・
怒 喜 思 憂 恐
となり、イライラしたり、怒ってばかりいる人は肝臓に負担がかかってしまいます。
現代人の多くは、石油系の毒素が多い、糖質が多い、怒ってばかりいる、の3つが絡み合って肝臓に負担をかけています。
どれか1つだけかもしれませんし、複合的にあるかもしれません。
3つともに心当たりがある人も少なくないはずです。
もちろん、お酒が全く肝臓に影響を与えないわけではありません。
お酒の質にもよるでしょう。缶チューハイのような添加物や甘味料がたくさん含まれるものは、アルコール分よりもそちらが影響を与えてしまうかもしれません。
お酒だけが敵視されるよう仕向け、お菓子などの砂糖からは目をそらさせるためのイメージ戦略かもしれないと思っている鍼灸師の感想でした。
鍼灸の長野式治療では、肝実処置という処置方法が重要視されています。
鍼灸治療でも、その他の方法でも、ぜひ肝臓をケアしましょう。